70名以上が参加!種採り講演会/講習
講師に千葉県佐倉市の林重孝さんをお招きし「第2回種採り講演会in小川町農家で自家採種する
には」を開催しました。
当日は、京都や滋賀から参加してくださったかたもいらして、皆さん熱心に話を聞いていらっしゃいました。全国にこのような機会が広まる事が有機農業の広がりにつながるのだと実感した一日でした。
さて、ここからは「講演ダイジェスト」として、林さんが講演で伝授してくださった「種取術」をダイジェストとしてまとめました。ご一読を。
■一般に品種改良の現状
外食産業などにあわせた品種改良が種苗会社などでは行われている。くせのないもの、人参なら付け合わせに使うと言う目的などで赤いものが好まれる。カッパ巻などののりの大きさが20cmなのでキュウリも21~22cm ... etc
効率化優先の品種改良が行われている。
■種採り メリット・デメリット
メリット…経費節減、自分なりの品種が作れる、自家採種は有機として位置づけられる。
デメリット…手間ひまがかかる、圃場を長い期間占領する。
<種を掛け合わせる>
多収量だが病気に弱い×少ない収量だが病気に強い
↓
F1 優性遺伝 多収量で病気に強いもの
↓
F2 4つの種類に別れる1/8しか1世代前の性質のものはできない。
この特性を利用して種苗会社は商売をしている。
F7くらいまですると性質が固定する。
■さまざまな種採り
【栄養繁殖】芋類、うど、ふき、生姜、うこん など。
花が咲いて受粉しない。他品種との交配の心配なし。
【種子繁殖】
■アブラナ科
ダイコン属、アブラナ属、ワサビ属、エルーカ属に分けられる。
属が違うと基本的には交雑をしないがアブラナ属は複雑。
■ウリ科 スイカとメロンなら交雑しない。
しかし、鶴首カボチャ、メロンとまくわうりだと近縁種で交雑する。
■ナス科 ピーマン、ししとう、とうがらしは近縁種。
辛いものが優勢、交配するとみんな辛くなってしまう。
■マメ科 種苗会社が販売するものでもマメ科はF1がない。=自家採種できる。
マメ科は種が採れる数が少ないのでビジネスにならない。交雑しない。
空豆だけは交雑することがある。
■キク科
人工授粉させるためには花の中のめしべ1個1個に受粉させる必要がある。
ということでこれまで、F1はなかった。しかし5年ほど前にF1ができた。雄性不稔の特性からF1をつくる。キク科の中で唯一春菊はF1がある。
レタスは固定種なので種は採れる。しかし天気的に暑くて雨が多い時期に花が咲いてしまうので、溶けてしまい種が採りにくい。サニーレタスは暑さに強いので種が採れる。それ以外は難しい。
■ゼリー状の種 トマト、キュウリ
2~3日ゼリー状のものを袋に入れて発酵させる。カビ、泡の発生→洗う→乾燥
病気に強くなる。
etc
このあと、昼食を挟み種の交換会を実施。
自家採種したものの栽培方法や味などを紹介し、交換すると言うものです。種を持参できなかった方も500円をカンパすれば、種をいただく事ができます。
バスで小川町で有機農業を営むメンバーの圃場へ移動。
実際に種採り実演をしていただきました。
種採りはよく晴れた乾燥した日が最適と林さん。まさに当日は最高の陽気でした。
ズッキーニ、ごぼう、ねぎ、オクラなどさまざまな作物の種採りを林さんにご指導いただきました。
1日の様子は写真をご覧ください。